二週間が過ぎて。

この春からの勤務先は大学図書館。 
といっても、規模の小さな学部の読書室だ。 

日本でも有数の有名大学とあって 
さすが、すべての規模が大きい。(この読書室以外は。) 
まず、サークルの勧誘がすごすぎる。 
外は太鼓が鳴る音、チアリーダーたちが叫ぶ声、 
応援団の吠える声、それに応えるオーディエンスの声援、 
どこぞの学生らが意味なく騒ぐ大声、などなどが響き渡る。 
そんな喧噪のなかにあって、ここの閲覧室では 
外の騒ぎはどこ吹く風。そこもまたすごい。 
授業スタートもまだなのに、かなりの数の学生たちが 
勉強を始めていた。 
皆、思い思いの方法で、学生生活を謳歌しているのだった。 

この読書室は、すべてを網羅する中央図書館などと違って、 
こじんまりとしたものだけれど 
学部の学生たちは、この読書室の蔵書が 
一番身近な頼みの綱。 
ここにいるとそれを実感する。 
なんだか嬉しく、身も引き締まる。 

ゆっくりのんびり働こうと思っていたのに 
始まったらなぜか、チーフになってくれと言われてしまい 
ちいさい読書室のちいさいチーフになることに。 
ここでこれまでの経験がこんなに活きるとは思わなかった。 
かつて公共図書館で、素晴らしい館長にめぐりあい 
仕事ぶりを間近で見ていたおかげで、それほど気負うこともなく 
なんとなく、皆をまとめていけているような気が。。 
皆がちいさい失敗をするが、それも愛嬌程度のもの。 
何より有り難いことに、気だてが良くて、できる子たちが集まった。 
それに、どんなトラブルもどんな日常も 
公共図書館で経験したこと以上が起こることなんて 
ほとんど、ないのだ。そうみたいだ。 

前職よりは休みも少ないし、どの時間帯でも電車は混みまくり、 
コンビニは長蛇の列だし、おまけに建物が古くて 
未だに夜間はしんしんと冷え込み、ものすごく着膨れないと風邪をひく 
そんな職場だけれど、図書館に復帰できて嬉しいと 
思えることができて本当に嬉しい。 

この二週間、デスクワークが山のようで 
ほとんどおまかせしていた棚整理を、昨日やった。 
心の底から楽しくて嬉しくてなんだか幸せで、 
あーー、図書館に帰ってきたんだなあと、しみじみ。 
そんなことを棚整理で実感するとは。 
図書館でまた働く事自体、実はそこまで感慨深く感じてなかったのに。 

きっとこれから大変なこともたくさん起こるに違いない。 
それでもやっぱり図書館で働けることの喜びを 
もう二度と忘れないようにしたい。 
子どもたちの笑顔の前にまた、戻れる日まで。