私の敬愛する石井桃子さん、
3月10日で100歳なのだそうだ。
なんて素晴らしいこと!
美しく知的、そしてユーモア溢れる文章で
数えきれない海外の児童文学、絵本を
日本に紹介してくれた人。
そして、ご自身でも、心が温まる作品を
たくさん生み出してくれた人。
ちいさな頃から本当に、本、特に外国のものに目がなくて
主な栄養源を本から吸収していたといっても過言ではない
私にとって、彼女はもう、ものすごい人なのです。
はじめての石井桃子体験は、もちろん
「ちいさなうさこちゃん」だ。
ちいさなうさこちゃん
ディック・ブルーナ/さく・え
いしいももこ/やく
福音館書店
これに関しては語り尽くされていると思うので
今更私が何を申すまでもない。
ただ、こんなにシンプルで美しい文章を
私は他に知らないってことだけ。
言うまでもなく翻訳ものは、作者と読者の間に
人が介入しているわけで、その役割は
とてもとても大きなものだ。
最近、“新訳”として、名著の翻訳を複数の出版社から
複数の翻訳者の手で訳されて世に出ているが
正直、私にとっては受け入れがたいものも多い。
思い入れがあるものであればあるほど、人はきっとそう感じる。
その思い入れのぶん、私にとって敬愛する翻訳者の方々も
たくさんいるのだけれど。
そんななかでも石井桃子さんはとびきりだ。
たとえばこれ、って、例を挙げれば限りない。
「くまのプーさん プー横町にたった家」とか
「サリーのこけももつみ」とか。
でも、それについて語ると凄まじいことになるので
それはまた、別の時に。
私の中のとびきり大きな存在。
あなたが生まれたこの日を
心から感謝して。
ハッピーバースディ!!