花火三昧。

今年は花火づいている。 
荒川から始まって、隅田川、戸田。 
一夏でこんなに行ったのは、初めてだ。 
この季節になると浴衣を着た人をよく見かける日があり、 
(今日はどこかで花火があるのだな、ふーん)と 
少し乗り遅れたような気分になる。 
前もって、行こう!なんて決めることはほとんどなくて 
いつも、(なーんだ、今日だったんだ。。)という感じ。 
夏の空に大きく上がる、色とりどりの鮮やかな花火。 
猛烈に憧れる反面、そこに群がる人々の波を想像すると、少しひるむ。 
電車を待つ長い列や、少しでもよいポジションで観ようと 
押し合いへし合いする老若男女を思い浮かべるにつけ、 
(・・・家のベランダで線香花火やるからいい。) 
と、いうことになる。 

でも、今年は違った。 
まず、荒川は相方が妙に乗り気だったのだ。 
会場から少し離れた川岸の土手で観る花火は 
予想以上に美しく、人ごみもなく、穏やかだった。 
星やハートを象った、シンプルな花火に 
子どもたちの歓声が上がる。 
大きな円を描く、金や赤、みどりの鮮やかな花火には 
大人たちがどよめく。ほのぼの。。 
吹いてくる風も心地よく、なんともステキな夜だった。 

隅田川は、父のおさななじみに誘われて。 
さすが24000発。東京で一番の花火大会。 
人の波も半端ではない。 
6時には吾妻橋が閉鎖されてしまうから、 
急がないといけないのは確かだけれど。 
父は元来せっかちだ。江戸っ子とは、こういうものか。 
それに慣れきっている私は、ぴったりと後をついて急ぎ足。 
見失ったりしたら、それこそえらいことだ。 
人ごみをすり抜け、びゅうびゅう風を切り、 
とてつもないスピードで猛進する父と、それに続く私。 
ふと、後ろを振り返ると、妹と相方の姿が見えない。 
置いて行かんとする勢いで前進中の父をなんとか押しとどめ、後方を探すと。 
足がもたついてふらふら、フロド状態の相方と、 
そんな私の相方と、馬車馬のような私たちとの間で 
バランスを取ろうと頑張る妹。 
フロドの傍らにいるサムのように、相方を励まし、歩を進ませていた。 
ありがとう、妹よ。ねえちゃんの代わりにフロドを支えてやっておくれ。。 
そんなこんなで時間通り、なんとか目的地にたどり着き、 
大きく上がる艶やかな花火を特等席でゆったりと 
心行くまで観ることができたのだった。 

そして昨日、義妹に誘われて初めて観た、戸田。 
こんな河原によくもまあ、集まった。人、人、人の波。 
芝生だよね。草が見えない。。。というくらい。 
実際、花火は一番キレイだったと思う。 
とにかく、私好みではあった。 
単発で上がる大きなものも、いくつか組合わさったものも 
色もカタチもとびきり上品で美しく、 
鮮やかで艶やかで、派手な印象の花火の新たな魅力に開眼。 
これでは、あの大大混雑ぶりも、仕方ないなあと思ってしまう。 

これが私の今年、花火三昧の夏。 
あとは、家のベランダで線香花火。 
これは過ぎ行く夏を惜しみながら、やりたいもの。 
もう少し、暑さを満喫したらだな。