夢をカタチにする難しさ。

私にとって、図書館は、いわば夢の職場。 
ずっとずっとそこで働く姿を夢描いていた。厳密に言えば、小学4年生から。 
そんな私だったから、初めて図書館を職場にできた感激は 
今でももちろん忘れることが出来ない。 

老若男女が集う、都内でも賑やかなことで有数の商店街の中心に位置する 
1フロアのこじんまりとした図書館。 
カウンターでの対応が中心で、私が夢描いていた一番のことである、 
子どもたちへの読み聞かせなどはさせて貰えなかったけれど。 
それでも、本当に素晴らしい時間だった。 
〜を調べたい 
〜を読みたい 
そんな小さい子どもから、お年寄りまでの相談にのって、 
館内を駆け回ってそれに見合った資料を探す。 
いつもいつも、利用者の期待に添うことはできない。 
けれど、そうして来てくれた利用者を、決して手ぶらでは帰さない。 
なんでもいい。ここへ来て、調べてよかったと思える何かを持って帰ってほしい。 
図書館で働く、本当の醍醐味を、心構えを、私はそこの図書館で学んだ。 

それから職場も変わったし、責任も増え、仕事の幅も広がった。 
随分と時間が流れた気がするけれど 
私が図書館で感じるやりがいとは、その頃から何も変わってないのだと思う。 
基本は、いつも同じ。 
利用者に、満足して帰ってもらえるように。 
図書館が、みんなの身近にあるように。 

今、自分にできることをしよう。 
そう思ってきた。ずっと。 
でも、その頃に比べて、確実に時間は流れてしまった。 
チカラを発揮できる場を取り上げられ、 
崩壊していく図書館サービスの現場を見つめ続け、それでも何もできない。 
無性に腹が立って仕方なかったことから今、目をそらそうとしている。 

それがあまりに辛すぎて。 

ずっと居続けることができたら一番よかったのだけれど 
そうもいかないから、もっともっとチカラをつけて 
きっと必ず戻ってこよう。 

あまりに力不足の自分を情けないと思いながらも 
これからまた新たなスタートを切ることを誓う。