はじめまして。

ブリッタとアンナとわたし。 
少し変わったこのタイトルも、児童書が好きな人にはきっと 
ピン、とくるに違いない。 

やかまし村の子どもたち
アスドリッド・リンドグレーン/作 大塚勇三/訳  
岩波書店 

私の憧れ、尊敬してやまない児童書のスター、 
リンドグレーンの代表作のひとつ「やかまし村」シリーズに 
本当によく出てくるこの言葉。 
このシリーズの主人公であり、おはなしの語り手リーサの 
となりに住む姉妹がブリッタとアンナ。 
楽しい日常、いつも一緒の3人を、リーサは 
こうひとくくりにして話す。 
「ブリッタとアンナとわたしとはー」 

これは、私にとって何かが始まる魔法の言葉。 
初めて読んだ6歳の頃から、ワクワク、私の胸を高鳴らせる。 
今でもだ。


やかまし村はいつでも楽しい。 
人生、こうでなくっちゃいけない。 

初めてリンドグレーンと、やかまし村の子どもたちと 
出逢ったのは小学1年生のとき。 
永久に続くと思っていたその頃の幸せは 
24年経った今、まるで夢のように思える。 
時間は時として残酷で、生きていくことは時に苦しいことだ。 
でも、それを知ってなお、 
私の“やかまし村”も、いつでも楽しいのだ。 
すべてを笑って楽しめる。 
そんな強い人間でありたい。 

『やかまし村の子どもたち』を初めて手に取るきっかけを 
またの機会に。 
思い出せば、心がじんわり温まる 
私の恩師のお話です。